一般的に甲状腺がんが疑われるしこりのうちで素人でも判別できるのは、しこりの大きさが30mm以上と言われているようです。
30mm以上のしこりが見つかっても、必ずしも悪性ではないようで、しこりのうち20%程度が悪性と認められるようです。
ただし、しこりが小さいからといって良性というわけではなくて、10mm以下でもががんと認められるケースはあるようです。
10mm以下の甲状腺がん場合は治療せずに経過観察とすることも多いと聞きます。
10mm以下でも甲状腺がんと認められることがあると聞くと、先の7歳児の8mmのしこりはかなり大きいようにも見えます。
でも、詳細な検査の結果では、悪性ではなかったようです。
良性も悪性も細胞に異常があるのは間違いありません。
簡単に切り分ければ、良性では臓器の機能を阻害するほどの細胞の変異は無く、正常細胞に近い変異の程度で、悪性の場合は臓器の細胞とはまったく異なる細胞を続々増殖させてしまい、臓器の機能を破壊してしまう程度の大きな変異があるということでしょうか。
仮に放射能で遺伝子が傷ついて変異したとしても、良性の範囲内での変異で止まってくれたなら、今後も甲状腺の正常細胞に近く変異程度の小さい細胞を生み出すだけに止まることが予想できると思います。
でも、良性と悪性の境界線も曖昧なところがあるようで、遺伝子の状態が不安定であれば、さらに悪い方に変異することも無いわけではないでしょう。
いくら子供は細胞分裂が盛んで、症状の出るのが早いといっても、1年も経たずに10mm以上のしこりが出て来るとも思えません。もし原発事故の放射能の影響なら、良性であっても8mmは十分に大きいように思えます。
チェルノブイリのときに比べると現在の日本ではエコー検査の精度が高く、早い段階で子供の甲状腺の異変が見つかりやすくなっていると考えることもできます。
チェルノブイリでは、被曝住民に起きた病変は、子供の甲状腺がんだけでは無かったと報告されています。
最も弱いところに最初は警鐘のように異変が現れるのでしょう。
放射能ゼロの食物の供給などの被曝住民のリスク低減措置が求められます。