この地名を聞くと、日本人なら誰しも、
何とも言えない郷愁にかられるでしょう。
柳田國男の名作・遠野物語によって、
遠野は日本人を豊かな過去へと誘ってくれる
心のふるさととなりました。
遠野物語は遠野の怖くて、奇怪で、愉快で、
そしてどこか哀しい妖怪たちの散文詩です。
遠野と聞けばそれだけで日本人はたまらない気持になります。
ですから、コマーシャリズムは日本人の気持ちに訴えようとします。
今年、キリンビールは、
遠野でとれたホップを使ったビールを出しました。
いつもなら、遠野のビールだ、と言って心から喜んで飲むでしょう。
ところが、
今年は様子が違います。
岩手県南部、特に一関市や平泉町の付近には
かなり放射性物質が降ってしまいました。
遠野もそこから少し離れているといえば離れていますし、
そこに近いといえば近いですね。
放射能の影響がちょっと気になります。
こういうときは、キリンのお客様センターに確認しましょう。
遠野のホップは放射能が不検出だったのだそうです。
気になる検出限界値ですが、10Bq/kgです。
遠野のホップは10Bq/kg以下ではあるようです。
ヨーロッパの独立した放射線防護研究組織ECRRの
バズビー博士は10Bq/kgを下回る食品は、
そんなに心配しなくてよいとおっしゃってました。
放射能についてかなり批判的な方がそうおっしゃるのですから、
すでに購入した遠野産ホップのキリンビールを
明日にでも飲みましょうかね。