甲状腺には多量の放射性セシウムが蓄積されていたのです。
日本では放射性セシウムは筋肉に溜まって、そのうち体外に排出されてしまうからそんなに危険ではないと言われていますが、この解剖は90年代後半に行われていて、チェルノブイリ原発事故からなりの年月が経っているのに放射性セシウムが子供の体内に蓄積されたままになっています。
放射性セシウムは、甲状腺だけでなく、日本でもよく言われる筋肉にも蓄積していて、さらに小腸、心筋、脾臓、脳、腎臓、肝臓、膵臓、胸腺などにも蓄積していたことが解剖の結果わかっています。
本当に体内中に広く分散して放射能が蓄積していることがわかります。
もし放射能が生命体に悪影響を与えるなら、これだけいろいろな臓器に放射能が分散しているのですから、放射能がすべての病気の原因になるというのもわからないでもありません。
バンダジェフスキー博士が、研究された結果として、心臓、腎臓、肝臓、免疫系、生殖系(新生児の先天的異常)、神経系、眼球などに異常が見られました。
肝臓がん、直腸がん、膀胱がん、肺がん、腎臓がんなどが原発事故前の数倍になったようです。
バンダジェフスキー博士によれば、放射性セシウムは細胞レベルの活動を減衰させるのだそうです。
高齢者に多い病気が子供に増えるのも、体内の放射能によって細胞の衰弱が早まるからでしょう。
こうしたリスクを避けるには、政府が内部被曝を重視した放射能対策をとってくれないことにはどうしようもありません。
個人でできることは、吸入と飲食による体内への取り込みを、個人のやれる範囲内でできるだけ避けるようにすることぐらいでしょうか。