2012年03月13日

がん治療効果が疑問視された丸山ワクチンとがんのワクチン治療の可能性

 丸山ワクチンは一時期がんの特効薬として持て囃されたことがありました。
 がんは薬では治せない病ですから、手術ができないがん患者にとってみれば、少しでも効果が期待できるなら、丸山ワクチンを試したいと思いますが、政府が認可していなかったため丸山ワクチンの治療を受けられず、それがかえって丸山ワクチンの潜在的な価値を引き上げて行きました。

 丸山ワクチンは結局、1991年に放射線治療による白血球減少抑制剤として認可を受けます。

 残念ながら、丸山ワクチンは臨床試験でがん治療の有効性は証明されませんでした。

 丸山ワクチンは元々結核のワクチンとして開発され、結核菌から毒性を除いた物質を抗原としてワクチンにしたものです。
 ですから、効いたとしても結核であって、がんではないはずです。

 でも、がんに効いたという噂が立つ理由はあります。
 丸山ワクチンは結核菌をコピーした抗原ですので、人間の体内に入れば、免疫反応が起きて、免疫力が高まります。
 免疫力としての白血球が増加し、その増加した白血球ががんへの攻撃力を高めたと考えることはできます。
 ただし、丸山ワクチンによって特定のがんへの集中的な攻撃力が高まったかどうかははっきりしません。

 もしかしたら、人によっては、丸山ワクチンで増やされた白血球が、自分のがんを攻撃してくれたのかもしれません。

 人間の免疫系は、悪者が何かが示されないと攻撃してくれません。
 丸山ワクチンではすべての人のすべてのがんへの攻撃指示は出せなかったのかもしれません。そこは謎です。

 ワクチンとがんの関係でいうと子宮頸がんの予防ワクチンが有名ですが、子宮頸がんはウィルスでがんになることが医学的に証明されたので、ウィルスから抗原をつくってできたワクチンが予防には有効な場合もあります。

 丸山ワクチンの場合、元が結核菌ですから、結核菌ががんを引き起こすと証明されないことには、効果(予防効果)は疑問視されてしまいます。
 もっとも、繰り返しますが、丸山ワクチンの投与によって白血球が増えたことでがんへの攻撃力が高まるということまでは否定できません。

 狙った病原体や悪性のがん細胞を元にしてワクチンをつくったほうが、その病気に対する免疫反応を呼び起こせるので、効果が高いような気がします。
 だから、がんの死細胞をワクチンとしたほうが、がん毎にワクチンをつくれますし、技術が進歩すれば患者さんごとにつくることもできそうなので、がん治療には有効だと思います。
 理化学研究所がそのカラクリを解明しましたが、このカラクリを利用したワクチンの開発がなされていないとしたら、残念なことです。



posted by 夢織人 at 12:54| Comment(0) | 医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月11日

子宮頸がんの予防ワクチンとうまく行かなかった膵がんのワクチン

オンコセラピー・サイエンスさんが主導していた膵がんのペプチドワクチン治療の臨床試験は効果が出ませんでした。

残念ですが、次のワクチンに期待しましょう。

普通ワクチンというとウィルスをやっつけるために使われますが、この膵がんのペプチドワクチンはがんに関係する人間の細胞を狙っていて、ウィルスを狙っているのではありません。

この膵がんのペプチドワクチンは、体外から体内に侵入したウィルスを叩くのではなくて、体内にできた悪い細胞を直接叩こうとしていて、ワクチンの中では特殊なワクチンです。

ところで、がんのワクチンにもウィルスを狙ったワクチンもあって、すでに実用化されています。

予防接種のキャンペーンが盛んに行われている子宮頸がん予防ワクチンが、それに当たります。

子宮頸がんは、がんの中でもウィルスによって発生するがんであることが医学的に証明されました。
そのウィルスを元につくったワクチンを抗原として投与すれば、抗体が体内にできて、ウィルスをやっつけてくれるようになります。
でも、ウィルスが子宮頸がんを発病してしまったあとでは、このワクチンは効きません。がんに対して働くのではなくて、がんを引き起こすウィルスに対して働くので、がんになったあとでは遅いのですね。

そこで、子宮頸がんのワクチンの予防接種をしようとなります。

でも、この予防接種には異論もあるようです。
子宮頸がんを引き起こすウィルスそのものは、人間の普通の免疫力で殺せるものだとか、ウィルスにはいろんな型があって、この予防ワクチンでは一部の型にしか対応できないとか、ワクチン投与後の危険な副作用も出てるとか議論されています。

ワクチンが病気を予防するといっても、異物ですから、それを体内に入れれば人によっては過剰な免疫反応を起こしてしまい、ショック死のようなことを起こすのもあり得ない話ではないように思えます。
こういう過剰で危険な免疫反応を起こしてしまうような人は、もともと異物には敏感に反応するので、逆にワクチンを体内に入れなくても、自分自身の免疫機能で悪いウィルスをやっつけてしまうようにも思えます。

子宮頸がんは、原因がウィルスだったので、現代医学をもってすれば、比較的簡単にワクチンをつくれたのでしょうが、実際の予防接種については、いろいろな意見があるようです。

posted by 夢織人 at 10:51| Comment(0) | 医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月08日

放射能を使えばできるかもしれないガンのワクチン

創薬ベンチャーのオンコセラピー・サイエンスが主導した膵がんのペプチドワクチン治療の臨床試験は残念ながらうまく行きませんでした。

この次は、がん細胞周囲の血管細胞ではなくて、がん細胞そのものから現れるたんぱく質を抗原として送り込むようにするようなので、免疫系が反応してくれるのを期待しましょう。

ところで、がん細胞への免疫系の反応でよく知られているのが、放射線照射を受けたがん患者さんのがん攻撃の免疫系の機能がアップするということです。

放射線治療というのは強烈な放射線を当てて、がん細胞を殺してしまうのですが、死んだがん細胞によって免疫系が活性化するらしいのです。

ここで肝となるのは、生きたがん細胞では機能しなくなっている免疫系が、死んだがん細胞で機能するようになるということです。

死んだ細胞を食べて生きている食細胞というのが体内にはあって、この食細胞が、免疫系に異常をうまく伝えてくれるようです。

がんの死細胞を食べて免疫系に異常を伝えてくれる細胞はマクロファージと呼ばれていて、日本語では貪食細胞と言います。
食欲旺盛な細胞ですね。

マクロファージはこの貪欲な食欲でがんの死細胞を食べて処理してくれます。この細胞は死んだ細胞が好きなようです。
だから、がんの生きた細胞は食べなくても、死んだがん細胞は食べてくれます。

がんの死細胞を食べてくれるだけでなくて、人間の免疫系に異常な細胞だよと教えてくれます。

理化学研究所が、がんの死細胞を食べて、がんへの免疫機能をアップさせてくれるこのマクロファージを発見しました。

ここで、がんのワクチン生成のための放射能の利用につながります。

がんの細胞を実験室で培養したあとに強烈な放射線を当ててて殺してしまい、がんの死細胞をつくります。

このがんの死細胞を不活化ワクチンとして体内に注入します。
そうすれば、マクロファージが食べてくれて、免疫系に異常を知らせてくれます。
生きているがん細胞の増殖では眠っていた免疫系が叩き起こされて、がん細胞をやっつけ始めるという算段です。

放射線を使えばがんの死細胞をつくることはさほど難しくはないでしょうから、オンコセラピー・サイエンスも抗原として働くかどうか不明のたんぱく質を使うよりは、理化学研究所の研究で抗原として働くことがわかったがんの死細胞をワクチンとして使うことも考えたほうが良いように思います。

posted by 夢織人 at 11:14| Comment(0) | 医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。